00年末~2010年前後のブルックリン系/その他のUSインディー

タイトルの通りです。ここに決着をつけないといけないなとずっと思っておりました。2010年、こういう音楽を聴くのにチャレンジしていたんですよね。2010年、Twitterを始めた年です。あの頃は楽しかった。今回はヴァンパイアウィークエンドやザ・ドラムス等は過去に記事を書いた気がするので外しており、実験的なアクトが多めです。
ブルックリン系?なにそれって人はこちらを…この記事でわかるかは知らんが。

ブルックリン・シーン特集 今売れてるインディ・アイテムの共通キーワードは「ブルックリン」!



Animal Collective『Merriweather Post Pavilion』(2009年)
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「フリーフォーク」とかほぼ通ってないし(デヴェンドラ・バンハートは流行ってたが…)好きだったのこのアルバムくらいなんで分からんのだが、このアルバムの印象はやはりまずM-2「My Girls」。00年代エレクトロを通過したビーチ・ボーイズとでもいうべきサウンドで、突き抜けていくメロディーに衝撃を受けました。MGMT「Time To Pretend」のPVと共に、現代のデジタル・ヒッピーだ!と、そのイメージは俺に強い影響と示唆を与えました。パンダ・ベアのソロもちょっと聴いたな…とか言いながらも、サンプリング地獄による実験的・極彩色サイケサウンドの全てを理解出来たわけではなかったです。でも当時難解と思えたM-4「Summertime Clothes」をいま聴いたら人懐っこいキャッチーさがあると思えたし、本作の前のアルバム収録の「fireworks」に対してもそう思えました。



Grizzly Bear『Veckatimest』(2009年)
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アニコレよりも実は彼らの方が今聴いたら分かりにくいかもしれない。つーか当時も「Two Weeks」以外分かってない。この曲はビーチ・ボーイズっぽいコーラスがキャッチーで好きなんだよな…(ビーチボーイズ、マジでこの頃キーワードでした)。なんか次作も聴いた印象として、シルクのような手触りの、淡白で繊細なサイケ/ソフトロックという感じで、クラシックの知識とかもありそうな感じというかヨーロピアンな香りを個人的には感じた。彼らの音楽性に関して解説できる方いたら教えを乞いたい。



Gang Gang Dance 『Saint Dymphna』(2008年)
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より先鋭的で実験的だったアクトとして私の中で記憶されているギャング・ギャング・ダンス。エレクトロ世代の民族音楽って雰囲気。
コケティッシュながら攻撃的な女性ボーカルが乗っかるシンセ・サウンドM-2「First Communion」を聴いたらCSSのようなニューレイヴ系とかと親和性あるかもと思ったし、ディアフーフ等とも親和性あると思う。今ならSuperorganismを聴いている人にも薦めたい。M-4「Vacuum」の浮遊感のあるシンセ(多分)のレイヤーはマイブラ『Loveless』を思い起こさずにはいられない。M-5「Princes」はラップの客演がある曲だが、子供の声のサンプリングや場面が切り替わるような曲展開はなんとなくDJ Shadow『Endtroducing…』を想起させたが、内省的と言うよりは混沌の中でハイになるような音楽。あと、誰にも向けてない話なんですがミニアルバム『Anthem』期DOPING PANDAは影響受けてますよね?ジャケとかも。スターがYeasayerの名前を出してるのは聞いたことあるんだよな。



Deerhunter『Microcastle』(2008年)
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当時はシューゲイザー・リバイバルとして受け取られていて、ライブだと轟音だという噂も聞いたことあるが、M-2「Agoraphobia」のスウィートなメロディー以外はつかみどころがないように思え、あとは5分越えのM-9「Nothing Ever Happened」が印象に残ってはいる。シューゲと言うよりはサイケに感じ、いまもそのぼやけた印象は変わっていない。クラウトロックからの影響も確実にあるが、それは次作『Halcyon Digest』で推し進められた。やっぱこのバンドも歌詞なのかねぇ(おそらくHalcyon~は歌詞も高く評価されている)。スヌーザーでタナソーとTレックスの話して盛り上がってた記事があったが、Tレックスのあまりに表層を滑る甘美なブギー・サウンドとディアハンターのばやけた音像はそう遠くないように思え、納得した覚えがある。ソロワークスのアトラス・サウンドも流行ってたなぁ。俺はフリーで配ってたアトラスサウンドのデモ(4枚くらい出してた)を聴いてましたがあまり記憶に残ってるわけではないです。笑



Yeasayer 『Odd Blood』(2010年)
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こちらも、エレクトロ的なサウンド・デコレーションを施しながらも変態的なリズムを導入し、実験的なアクトだと思っているが、攻めすぎていて当時はスルーしておりました。でもかなりよく名前は見かけましたよね。でやっぱ1曲目、めちゃめちゃ実験的で笑ってしまった。この記事を書き進めてきて、今聴いたらアニコレもギャングギャングダンスもディアハンターも普通に聴けるやん!俺の耳、流石にこの14年間で成長したわ~~~と思ったけど、ここで屈するとは……(笑)。で、でも2曲目「Ambling Alp」や3曲目「Madder Red」はとてもポップで、あ~~アニコレより聴きやすいかも。しかし、ブルックリン勢、ここで名前を出してないけど私が好きだったRyral Bangsとか含め、独特のみずみずしいサイケ・サウンドとか、ちょっと裏返ったボーカルとか、なんか共通項というか各アクトで重なりあう特徴的な音像、ありますね。
最近めっきり名前を聞かないけど2024年12月現在23万リスナー。舐めててごめん。

このPV曲もかなり聴きやすいっすね。


Dirty Projectors『Swing Lo Magellan』(2012年)
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2009年の『Bitte Orca』が、西洋人がアフリカ音楽を解釈した最新形の音楽として高評価で彼らとしても代表作だとは思いますが、次作のこれも当時話題になりましたね。僕はお気づきの通り、あまりに実験的な音楽は避けてしまうため『Bitte Orca』は何年か前にちょっとだけ聞いたんですが、リズムの工夫もありますが男女のボーカルが重なりあってレイヤーを成している、その重なり方とか絡まり方みたいなのを(いびつなループ・リズムの中で)楽しむ音楽なのかなとは思いましたが、未だに難解だなと思います。で、『Swing Lo Magellan』には何故かフォーク・カントリー的、もっといえばPavement的なヘロヘロな歌モノインディーロックな表題曲M-4「Swing Lo Magellan」があり、これだけ好きでした。あ、ピアノ曲なM-8「Impegnable Question」も聴けます笑。カントリー的なサウンドは導入されたものの、1stに劣らず実験的な曲も多いです。
Spotify19万リスナーか……。あんなに覇権バンドみたいな感じだった気がしたが…。



Girls『Album』(2009年)
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The Drumsなんかは好きだったのに、Girlsについては当時「昔のポップスぽいことやりたいんだろうけど普通すぎる」とか思っててスルー気味だったんですが、何年か前からフェイバリット・アルバムになりました。これもスヌーザー誌で、DJとしても名高いGOING UNDER GROUND松本素生氏が「昔こんなレコード持ってた気がする」と言っていた記憶がありますが、60年代あたりのロックやポップスのようなノスタルジアがあります。何と言ってもまずはM-1「Lust For Life」。これは絶対にPVを観てほしい。このオサレ・インディー男子女子によるキッズ感!たどたどしく疾走していくドラムと、わずかながら鼻にかかるボーカルがほんま泣けてくる。このPVの中の世界に居たかった、私のインディーロックの理想の世界観のひとつ。これもスヌーザーで言われてたことなんだけど、ニルヴァーナのTシャツを着たキッズと、マイケルジャクソンが死んだ時の新聞記事が映るんですよ。なんか、DIYのインディーとか言うけど実はビッグなアーティストが原点にある、みたいなのが(WavvesがいちいちNirvanaやフーファイを擦ってる感じにも同じようなものを感じる)インディーロックのあるべき姿なんじゃないかとか勝手に思ってるんですよね。あと、M-2「Laura」もキラーチューン。この曲もどこかビーチ感を感じる。アルバムの中にはシューゲイザー的なアプローチの曲もあり(M-8あたり)、90年代的ローファイ的手つきももちろんあるが、90年代リバイバルというよりは90年代を使って古のポップスを2009年に落とし込んでる(?)みたいな感じだ。今ならLemon Twigsが好きな人にも薦めたい(あそこまで再現度高めな懐古主義者ではないが)。ちなみにフロントマンのクリストファー・オウエンスは、2024年のソロアルバムでも(GIRLS時代に全く劣らない)甘美でメランコリックな曲を書きまくっている。